水耕栽培との出会い


 今思うと私がはじめて「水耕栽培」という言葉を知ったのは高校生の夏休みでした。 生物の先生から何か自由研究をしてレポートを出すように言われたんですが、「植物の生長に環境が及ぼす影響」みたいな題目だったとおもいます。 たいした実験もできず、また失敗もしたのでどうにかしなくてはと近くの図書館でみつけたのが「水耕栽培」についての記述だったんです。 ただ、このときは土の代わりに砂や礫(小粒の石)を培地とした方法でした。 野菜を生産する手段としてではなく、どちらかといえば園芸のひとつのような扱いでした。

 いよいよ次は本格的な水耕栽培との出会いですが、じつは現在20歳以上の関東近辺に住んでいるひとならまず目にしていただろうというモノがあります。 「つくば万博」で公開されていた「ハイポニカ」のまるでぶどうの棚のように仕立てられたトマトです。 「一株で一万個の収穫が可能!」というキャッチフレーズには当時まだ畜産学科の学生だった私でさえ「見に行かなきゃ!」と思いましたし、実際見に行きましたが驚きました。

 しかし所詮、当時の家は酪農家だったのでこのときは将来野菜をつくることになるとはまったくおもいませんでしたし、それが水耕栽培のトマトだとは(月並みな言い方ですが)夢にもおもいませんでした。 


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